【ほらな】Claude Codeが凄いよって話【言っただろ】

【ほらな】Claude Codeが凄いよって話【言っただろ】
Photo by Joan Gamell / Unsplash

はじめに

去年、私はLLM時代のプログラミングについてというブログ記事を公開しました。

LLM時代のプログラミングについて
ChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)が世界を席巻してからもうすぐ二年が経とうとしています。文章執筆はもちろん、「翻訳」「情報収集」「悩み相談」「今夜の献立」「ぼくのかんがえたさいきょうのかのじょ」などなど…LLMは、その驚異的な応用性をもって、多岐にわたる分野で使われるようになりました。 僕が生計を立てている「プログラミング」界隈も、ここ二年でガラッと変化しました。LLMは、名前の大規模「言語」モデルにある通り、テキストに特化した機械学習モデルです。コードの生成なんてチョチョイのチョイです。 また、LLMの精度も急速に向上しています。OpenAIやAnthropicなどのAI会社は、まるで雨後のタケノコのようにポンポンと新作LLMを発表。現在のフラグシップであるGPT-4oやClaude3.5-Sonnetの精度は半端じゃなく、綺麗なWebアプリもモデルに要件を伝えるだけで作れちゃいます。 ぶっちゃけ、LLMの精度がこんなにも向上すると、自分でプログラミングするのが空しいと思うことがあります。「新しいプログラミング言語を今さら勉強しても、どうせLLMに勝てねぇんだから意

そこで私は、「5年後のプログラミングはプルリク画面で完結する」と宣言しました。

  • 人間はコードの要項ユニットテストを書く。
  • LLMはそれを受け取り、テストが通るまでコードの開発をする。
  • テストが通ったらLLMがコードをPushし、人間がコードレビューする。

この人間とLLMのフィードバックループが未来のプログラミングの肝になるだろうといいました。

その記事からまだ6か月しか経ってないですが、実はすでにこのフィードバックループの完成が近いんです…!

というのも、今はLLMがテストとかGitとかのCLIツールを自動で動かし開発してくれるエージェンティックAIが熱いんです。

今回はエージェンティックAIツールの一つである Claude Codeに焦点をあてて、その強みと将来についてみていこうと思います。

Claude Code って?

Claude Codeとは、Anthropic社が開発したCLIツール。同社が出してるClaude系のLLMモデルを、ターミナルで使えるようにするものです。Linux系のOS(Mac含む)で使えます。Windowsでも、Linux仮想環境(WSL)で使えます。

「LLMをターミナルで使う」と聞いて、「ただのAPIラッパーじゃねぇの?」と思ったそこのあなた。Claude Codeは、ただの質疑応答ツールじゃないです。

ターミナルにインストールされてる他のツールを駆使して、ユーザーの質問に最適な行動を自動で取ることができるエージェンティックAIツールなんです!例えば…

ユーザーの質問
AIの対応
「このファイルの内容を教えて!」 catでファイルの読み込み
「プロジェクトの構造どうなってんの?」 ls/findでフォルダ構造を探る
「過去の変更履歴が知りたい!」 gitコマンドで履歴を検索
「ユニットテストって今パスしてる?」 pytestなどのコマンドでテスト動作

もちろん、ファイルの編集をしてテストしてもらってgitにプッシュしてもらうことなんかもできます。もうなんでもありですね。

使い方

npmを使ってインストールします。npm install -g @anthropic-ai/claude-code

💡
sudoを使ってインストールするとclaudeが権限周りでブーブー言うのでなるべく使わないようにしましょう。

sudoなしでnpm i -gを動かすには: https://github.com/sindresorhus/guides/blob/main/npm-global-without-sudo.md

インストールが終わったら、claudeで起動します。ブラウザ上にAnthropicアカウントへのログイン画面が表示されるので支持通りログインします。こんな画面が表示されたら無事インストール&ログイン完了です。

AWS Bedrockユーザー

AWSユーザーは、AWS Bedrockサービス経由でClaude Codeが使えます。この場合、環境変数をいくつか編集し、お使いのAWSアカウント・LLMモデル・AWSリージョンを指定してからclaudeを起動します。

export CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1
export ANTHROPIC_MODEL='us.anthropic.claude-3-7-sonnet-20250219-v1:0'
export AWS_REGION="us-east-1"
export AWS_PROFILE="<あなたのアカウントプロフィール>"

aws sso login --profile $AWS_PROFILE

claude
Claude Codeは使用料がまぁまぁ高いので注意しましょう。ファイルを複数生成させたりしたら千円超えることもザラです。

結局どこが凄いの?

エージェンティックAIツールの波が来てるわけですが、ここでポイントなのはLLMモデル自体はあまり進化していないことです。

参考までに、最近のOpenAI社のGPTモデルのリリースを見てみましょう。

モデル名
リリース日
GPT-3 2020年5月
GPT-3.5 2022年11月
GPT-4 2023年3月
GPT-4o 2024年5月
o1 2024年9月
o3 2024年12月
GPT-4.5 2025年2月
GPT-4.1 2025年4月

GPT-4が公開されてから2年が経ちました。その間、色んなモデルが公開されてきましたが、どれも名前に「4」とついてますね。

  • GPT-4oは、GPT-4をベースに画像や音声など新たなデータ形式に対応したモデル。返答スピードやコストも削減。
  • o1o3はいわゆる「推論」モデル。ユーザーの質問を分解し、各ステップを一つずつ解決していくモデル。返答に時間がかかるが、調査や分析などのタスクに長けている
  • GPT-4.5GPT-4.1はGPT-4の強化版。入力・出力トークンが多くなったり、コードを書く能力が強化されている。

なにが言いたいかと言うと、この2年間モデルの性能はあまり変わってないんです。対応できるデータ形式を増やしたり、最新のテキストを学習データに追加したり、ちょっとした改善なんですね。

エージェンティックAIもその例に漏れないと思います。LLMとのインターフェースが進化して、モデルとのやり取りが簡単になった。LLMとCLIツールに情報のやり取りをさせられるようになった。

モデルはそんなに改善されてないのに、インターフェースをちょいと改良したら、Claude Codeというクッソ便利なツールが誕生した。

思えばChatGPTもそうですよね。

GPT-3は2020年からあったけど、世間の知名度は低かった。2022年、GPT-3とのやり取りを簡単にできるChatインターフェースをつけたら爆発的にヒットした。

使い方次第でいくらでも化ける。これがLLMの底なしのポテンシャルなんだと思います。

今後の展望

冒頭の「5年後のプログラミングはプルリク画面で完結する」という話ですが、これも現実味が増してきましたね。

プルリクのUIにClaude Codeを組み込めば完成ですもんね。

Anthropic社に出資してるAmazonさんは、GitLabと業務提携してGitLab Duoという機能を既に実装してます。GitLabのイシュー画面からLLMを呼び出し、コードを書かせたりテストを動かしたりできるようです。

GitLab Duo画面(ソース

GitHubも近いうちにCopilotをUIに組み込むことでしょう。Copilotエージェントモードが発表済みなのでCLIツールとの連携はすでにできてます。

プルリク画面でプログラミングする時代はすぐそこに来ている…!

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